在宅ワークのメリットとデメリットを知って自分に向いた決断をしよう

在宅ワークという働き方に興味があってメリットとデメリットを知りたい、今後の選択肢の視野に入れたいとお考えではありませんか?

ここでは、在宅ワークの4つのメリットと4つのデメリットをご紹介します。

ただメリットとデメリットを知るだけではなく、自分が在宅ワークに向いているのかを考えなければなりませんよね。今回は仕事内容の具体例や在宅ワークの向き不向きについても見ていきますので、ぜひ最後までご確認くださいね。

在宅ワークとは

在宅ワークとは、企業に在籍せずに自宅で仕事をする働き方のことです。

 

会社勤務との違い

会社勤務との違いは、大きく言えば会社に出勤するかしないかです。このほかに、自己管理の違いやコミュニケーションの取り方の違いがあります。

 

テレワーク、在宅勤務との違い

似ている言葉として、テレワークと在宅勤務があります。

テレワークとは、企業に在籍して自宅や営業所、営業先(外出先)などで仕事をする働き方のことです。テレワークは、電話・FAXやメールといった情報通信技術を使って、本社と連絡を取りながら仕事をします。

厚生労働省によると、テレワークには下記の3つの働き方があります。

テレワーク3つの働き方
  1. 在宅勤務:所属する会社から離れて自宅で仕事をすることです。
  2. モバイルワーク:カフェや移動中の電車の中などいつでもどこでも業務可能な働き方のことを言います。外回りの営業職などが該当します。
  3. サテライトオフィス勤務:遠隔勤務のできるオフィスで働くことを意味します。営業所や支店などを指す場合があります。

     在宅勤務を含むテレワークは、企業に在籍して働く形態なので在宅ワークとは異なります。

     

    在宅ワークをはじめる理由

    在宅ワークをはじめる理由は、下のグラフをご覧ください。

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    引用:厚生労働省「在宅ワークの適正な実施のためのガイドライン」

    「都合のよい時期、時間に働けるため」が54.6%、「スキルや趣味をいかした仕事をしたい」が40.8%、ついで「働きがい」となっています。

    育児をしている主婦など事情により時間が限られている人や、趣味を仕事にしたいと考えている人に在宅ワークはおすすめです。

     

    コロナ禍で注目される在宅ワーク

    今コロナ禍をうまく乗り切っていくために、在宅ワークが注目されています。外出せずに自宅で仕事ができるからです。

    在宅ワークの勤務形態は、感染する病気や地震などの災害といった不測の事態に身の安全を守ります。なおかつ、不測の事態にもかかわらず仕事ができるためです。

     

    在宅ワーク:4つのメリット

    在宅ワークをする4つメリットは下記のとおりです。

    1. 自由な時間と場所で働ける
    2. 人間関係で悩まず、集中して働ける
    3. 自分の得意分野を生かせる
    4. 成果がわかりやすく、報酬が仕事量によって増える

    以下に詳細を説明します。

     

    自由な時間と場所で働ける

    在宅ワークは自由な時間と場所で働けます。打ち合わせなどを除き、毎日決まった場所で決まった時間に仕事をしなくてはならないという決まりがないからです。

    時間と場所が自由になることで具体的には以下のようなメリットがあります。

    通勤しなくてよい

    通勤しなくてよいために通勤時間がありません。その分時間の節約になり、余裕が生まれます。30分の通勤時間があった場合、往復で1時間の節約になります。その分、仕事の時間にしり、自分の時間にすることができるでしょう。

    下の2点も通勤しないメリットと言えます。

    • 電車や車などの通勤ラッシュのストレスから解放される
    • 服装や身だしなみにかける時間も少なくて済む

     

    自由な時間に働ける。

    自分のペースや都合に合わせて、自由な時間に働けます。勤務時間が決まっていないためです。

    また、自由な時間に休めます。会社勤務では、平日に病院に行くことや、子どもの送迎も難しいといったことがあります。前もって休みの届けが必要などと、人間関係のわずらわしさがあるからです。しかし、在宅ワークにはそのような問題がなくなります。

     

    自由な場所で働ける

    在宅ワークでは、自由な場所で働けるというメリットもあります。

    リラックスできる自宅で働けることはもちろんのこと、ほかにカフェやコワーキングスペースなどでも仕事ができます。

    ちいさな子どもがいる、仕事の場所は自分で選びたいという方には在宅ワークが合っているでしょう。

     

    人間関係で悩まず、集中して働ける

    会社勤務と違って、人間関係のわずらわしさから解放されて仕事ができます。

     

    人間関係のストレスがない

    ひとりで仕事をするため、人間関係のストレスがありません。働きやすさを決める大きな理由に「職場の人間関係」があり、この悩みから転職をする人もいます。その点、在宅ワークでは悩まずに済みます。

    また、会社の飲み会が苦手という人もその悩みから解放されるでしょう。

     

    集中して働ける

    仕事の空間を自由に作れて、好きなように環境を維持できることもメリットのひとつです。

    誰かに声をかけられて仕事を中断する、電話応対に追われて仕事がはかどらないといった悩みもありません。

    仕事に集中できる分、効率よく成果を出せます。

     

    自分の得意分野を生かせる

    在宅ワークでは、自分の得意分野を生かして働けるのも大きなメリットです。自分から選んだ仕事をするので、得意分野に取り組めます。

     

    成果がわかりやすく、報酬が仕事量によって増える

    ひとりで仕事をするために、成果がわかりやすいというメリットもあります。また、会社務めと違って給料制ではないので、自分で好きなように仕事量を増やせば報酬もその分増えるのです。

    実績を積む、スキルを身につけるなどでより高度な案件にチャンレンジすれば、収入は増えていきます。

     

    在宅ワーク:4つのデメリット

    反対に、在宅ワークの4つのデメリットを見てみましょう。

    1. 自己管理能力が問われ、すべてが自己責任
    2. コミュニケーションをとるのが難しい
    3. 環境整備の必要と、切り替えの難しさ
    4. 安定した収入を得るには努力が必要

    以下に詳細を説明します。

     

    自己管理能力が問われ、すべてが自己責任

    自己管理能力が問われ、すべてが自己責任となる点がデメリットと言えます。会社勤務と違って、ほかの人の目がなく自分ひとりで仕事をするためです。

    具体的には以下の点が自己責任になります。

     

    健康維持管理

    健康維持管理が自己責任になります。勤務時間や休日が定まっていないために、自由に働ける反面、管理能力が問われるからです。

    たとえば、夜遅くまで仕事を続けることや、生活のリズムを崩して体調に影響を及ぼすことがあります。

    メリハリをつけた仕事のやり方を工夫し、健康管理をしっかりすることが問われてくるのです。

     

    ストレス対策

    ストレスに対しても自己管理の中で対応していかなければなりません。愚痴を言える同僚がいないからです。

    在宅ワークの場合、人との関りが少ないので孤独を感じやすいことや、仕事の成果を出さなければならないというプレッシャーからストレスを抱えます。

    必要以上のプレッシャーを抱えないことや、プライベートを充実させるなどの工夫が大切になります。

     

    モチベーション維持

    ひとりで仕事をする在宅ワークでは、モチベーション維持も自己管理能力が問われます。ひとりだとやる気が出ない、怠慢になってしまうことを回避する能力が必要です。

    目標を掲げて細かなタスクを決めるなどの管理能力が問われます。

     

    運動不足になることへの対応

    会社勤務の場合、通勤や社内での移動など体を動かすこともあります。しかし在宅ワークの場合は、一日中パソコンに向かって作業をするなど運動不足に陥りやすい面があります。

    運動不足にならないように日頃からウェーキングやスポーツをする、ジムに通うなどといった自己管理が必要になるでしょう。

     

    社会保険や税金などの手続きと支払い

    会社勤務と違って、社会保険や税金などの手続きと支払いも自分でしなければなりません。

    社会保険について

    在宅ワーカー自らの収入が130万円未満かつ配偶者等の年収の半分未満であれば、配偶者等が加入する健康保険組合や共済組合の被扶養者として医療が受けられます。

    健康保険組合や共済組合等の他の医療保険に加入していない場合には国民健康保険への加入が必要です。

    引用:厚生労働省「在宅ワークの流れ‐税金について 社会保険について」

    税金について在宅ワーカーは、自分で所得税及び復興特別所得税の確定申告をする必要があります。 

    気づかないうちに多くの税金を払ってしまっていることもあるので、源泉徴収や確定申告のしくみを自分で理解しておかなくてはならないのですね。 

     

    コミュニケーションをとるのが難しい

    在宅ワークは、ひとりで仕事をするためにコミュニケーションをとることが難しいというデメリットがあります。この点を掘り下げて見てみましょう。

     

    クライアントとのコミュニケーションをとるのが難しい

    在宅ワークは、クライアントとのコミュニケーションを取るのが難しいというデメリットがあります。

    会社勤務では質問や疑問点はすぐに人に聞くこともでき、打ち合わせをすることもできます。しかし在宅ワークでは、クライアントとメールや電話(通話)でのコミュニケーションがほとんどです。

    人と対面ではないメールや電話(通話)でのコミュニケーションには、誤解やすれ違いが生じることもあります。

    内容を正確に理解し、円滑にコミュニケーションを取れるように細心の注意を払わなければなりません。

     

    仕事を人に教えてもらう機会が激減する

    在宅ワークはひとりで仕事をするために、ほかの人から仕事を教えてもらう機会が激減します。

    会社務めならパソコンの操作がわからないときに誰かに、直接レクチャーして教えてもらえるでしょう。しかし在宅ワークは、メールやチャットなどで文面を読んで対応することになります。電話(通話)を利用することもできますが、対面よりは手間もかかりわかりにくいという難点があります。

     

    環境整備の必要と、切り替えの難しさ

    次に、環境整備の必要と、切り替えの難しさというデメリットについて見ていきましょう。

     

    必要なものは自分で用意しなければならない

    仕事に必要なものは自分で用意をしなければなりません。必要な事務用品から、パソコンやインターネット環境といったものは自分で揃えなければなりません。

    会社務めなら会社の経費で揃えられるものも、自分で用意しなければならないというデメリットがあります。

     

    仕事とプライベートとのオン・オフの切り替えが難しい

    在宅ワークは仕事とプライベートとのオン・オフの切り替えが難しいというデメリットがあります。会社務めなら勤務時間が終わればプライベートの時間を持ち、場所も移動できます。しかし在宅ワークでは自宅などで仕事をするため、プライベートと混同しやすいことがデメリットです。

    仕事の時間を決めてメリハリをつけるなど、工夫が必要になります。

     

    家族の理解が必要

    自宅などで仕事をするためには、一緒に生活している家族の理解が必要です。家の中で静かに集中できるように、家族の協力が必要になります。

    ちいさな子どもがいる場合には、仕事をする時間や場所に策をこらすことが必要になるでしょう。

     

    安定した収入を得るには努力が必要

    在宅ワークでは、安定した収入を得るには努力が必要です。歩合制の仕事だからです。

    自分で好きなように仕事量を決められる反面、安定した収入を得るためには、実績を積む、スキルを身につけるなどの努力が必要になります。

     

     

    在宅ワークの具体的な仕事内容

    次に、在宅ワークの具体的な仕事内容を見ていきましょう。

    内職系在宅ワーク

    内職系の在宅ワークには下のものがあります。

    • 包装や簡単な組み立てなど製造の一部を担う単純作業
    • アクセサリー制作や電子工作のはんだ付けなど、精密作業を伴う製造の仕事
    • ハンドメイド・ネイリストなど手作りの良さが売りの仕事

    報酬は簡単な作業だと単価が安く、精密で時間のかかる作業ほど高くなります。

     

    事務・Web系在宅ワーク

    事務・Web系の在宅ワークには以下のものがあります。

    • データ入力
    • Webライター
    • Webデザイン
    • プログラミング
    • オンラインショップ
    • オンライン秘書

     

    その他の在宅ワーク

    その他の在宅ワークには以下のものがあります。

    • オペレーターやコールスタッフなどのコールセンターを在宅でする
    • オンライン家庭教師

     

    実際のところ在宅ワークの仕事はどうなのか

    実際のところ在宅ワークの報酬はどうなのでしょうか。また、トラブルについてはどうなのでしょう。加えて、向き不向きについても見てみましょう。

     

    在宅ワークのコストと報酬

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    引用:厚生労働省「在宅ワークの適正な実施のためのガイドライン」

    自宅などで仕事をするため、電気代などはもちろんのこと、パソコンの整備・インターネット環境に必要なコストがかかります。

    また、報酬面では下のグラフのとおり月収5万以下から2029万円と、仕事内容によって幅のあることがわかるでしょう。

     

    在宅ワークの問題点と注意点

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    上の表からわかるように、在宅ワークのトラブルは存在します。4人に1人が何かしらのトラブルを経験していることになります。

    主な理由としては、対面ではないやり取りをする仕事であること、自己管理能力が問われることがあるでしょう。

    繰り返しになりますが、クライアントとのやり取りや自己管理には細心の注意が必要となります。

     

    在宅ワークの向き不向き

    在宅ワークに向いている人と向いていない人はどんな人なのでしょうか。

    下のような人が在宅ワークに向いています。

     

    • 育児や介護をしている人
    • 定年後に自分の好きなことをして活かしたい人
    • 自分のスキルを試したい人
    • クリエイティブな仕事をしたい人

     

    向き不向きのポイントを下に見てみましょう。

     

    自己管理ができる人は在宅ワークに向いている

    自己管理がしっかりとできる人は、在宅ワークに向いています。在宅ワークに必要なこととして、まずあげられるのが「自己管理能力」だからです。

    たとえば家の中にはゲームやインターネットという誘惑があり、昼寝をすることも可能です。誘惑を断ち切る自己管理能力が問われます。

    自己管理をしっかりとできる人は在宅ワークに向いていると言えるでしょう。

     

    スケジュール管理ができる人は在宅ワークに向いている

    自分のスケジュール管理がしっかりとできる人は、在宅ワークに向いています。ひとりで仕事をこなすためです。

    自分の力量にあった仕事のスケジュールを組むこと、キャパシティオーバーにならないよう調整することなどの能力も不可欠でしょう。

     

    こまめに連絡を取れる人は在宅ワークに向いている

    こまめに連絡を取れる人は、在宅ワークに向いています。クライアントと連絡をこまめに取る必要があるため、外出先でもメールをチェックするなどというスキルも大切になります。

     

    在宅ワークに向いていない人

    この反対に、会社のルールに従って仕事をするほうが楽な人、決まった時間に仕事をしてプライベートとの切り替えをしっかりしたい人は在宅ワークには向いていません。

    • 仕事はお金をもらう手段と割り切って仕事ができる人
    • 人間関係のわずらわしさや飲み会なども楽しめる人

    このような人は会社勤務に向いているでしょう。

     

    メリットとデメリットを知って自分に適した選択を

    在宅ワークのメリットとデメリットを見てきました。メリットの反面がデメリットであるため、どちらがよいとは一概には言えません。自分のライフスタイルや性格に適したものはどちらでしょうか。

    今の時代、在宅ワークで働く人も増えています。選択肢のひとつに加えることもよいでしょう。在宅ワークの向き不向きをとらえ、自分に向いた選択をしていきましょう。