「文章がフランクすぎる」「固すぎるので、もっと柔らかく」などの指摘を受けて、話し言葉と書き言葉についてお困りではありませんか?
この記事では話し言葉と書き言葉を変換するための一覧表を紹介します。ざっと目を通すだけで、NGな言葉がわかります。
また話し言葉と書き言葉について、それぞれのメリットとデメリットも紹介しますので困ったときのハンドブックとしてご利用ください。
話し言葉と書き言葉の変換一覧表
話し言葉と書き言葉の変換一覧表を紹介します。
50音順になっているので、記事の見直しのときに参考にしてください。
話し言葉 | 書き言葉 |
あんまり | あまり |
一番 | もっとも |
いつも | 常に |
いろんな | さまざまな |
して、・くて | し・く |
しないで | せず |
絶対 | 必ず |
全然 | まったく |
だいたい | おおよそ・約 |
だから | したがって |
だから | そのため・したがって |
たくさん・一杯の | 多くの |
多分 | おそらく |
だんだん | 徐々に |
ちゃんと | きちんと |
ちょっと | 少し |
でも・だけど | しかし・だが |
どうして | なぜ |
とか | やはり |
どっち | どちら |
とても、とっても、すごく、 | 非常に |
どんな | どのような |
みたい | のよう |
もっと | さらに |
やっと | ようやく |
やっぱり | やはり |
話し言葉と書き言葉をなぜ使い分けるのか
話し言葉と書き言葉を書き分ける理由は、メディアの目的にあった表現をするためです。
メディアの目的にあった表現をすることで、届けたい人に適切に届くメッセージとなります。
国会などのおかたい場面で国民的アニメのセリフを引用して答弁するのも、(その賛否は別として)国民が国会に関心を寄せる目的があるのです。
よって「文章にするときは必ず書き言葉」「話すときときは絶対に話し言葉」などと絶対の決まりはありません。
話し言葉と書き言葉の特徴を紹介するので、メディアの目的にあった表現を目指しましょう。
話し言葉の特徴
話し言葉は我々が日常的に話す言葉に近い表現をする言葉のこと。
「ら抜き言葉」や「さ抜き言葉」「い抜き言葉」、砕けた表現も一定まで許容する懐の深さが特徴です。
話し言葉のメリット
話し言葉のメリットは以下の3つです
- 親しみやすさを出しやすい
- 疾走感や躍動感が出しやすい
- 読みやすい
話し言葉には読者に寄り添う姿勢を感じさせ、自分ごとのように受け取ってもらいやすい効果があります。
また短文で切って疾走感を出したり、多様な形容により躍動感を出したりと言った表現の幅がかなりつけやすいメリットがあります。
書き言葉では出せない振り幅です。
また単純に読みやすく「かたい文章を見ていると眠くなる」という層にも届きやすい文章としやすいのです。
話し言葉のデメリット
話し言葉のデメリットとしては以下2つです。
- 文章が冗長になりやすい
- 人によっては伝わりづらい
話し言葉のメリットである「表現の幅」の裏返しですが、不要に形容してしまい無駄に文章が長くなるきらいがあります。
また指示語や倒置法などの文章テクニックを使用することで、読者が一読で理解しづらい(一旦戻らなくてはならない)文章となってしまい、言いたいことが伝わらない場合もあるのです。
書き言葉の特徴
書き言葉は一言でいうと「かたい言葉」です。難しい単語もどんどん使われます。
また文章の柔軟性がなく、読者の理解に幅を持たせないよう書かれる傾向があります。
公的な文章にも使われている通り、誤解がなく「情報を正しく伝える」ことにフォーカスされているのですね。
書き言葉のメリット
書き言葉には以下のメリットがあります。
- 誤解をあたえにくい
- 誰が書いても似たような文章になる
- 規則に従って書かれる
書き言葉最大のメリットは誤解を与えない性質が強いことです。
そのためビジネスの場では非常によく使われます。
一見難解ですが読者に想像の余地がなく、また規則に従って書かれるため、規則と単語さえ知ってしまえば誰が読んでも理解できます。
情報を過不足なく正しく伝える意味で、書き言葉はとても優秀と言えます。
また書く側としても、書き手のキャラクターや文脈なく規則に従って書くだけ。
したがって誰が書いても同じような文体となるため、企業の広報などにも向きます。
書き言葉のデメリット
書き言葉のデメリットとしては以下のとおりです。
- 面白みがない
- 読みづらい
- 誰が書いても同じような文章にしかならない
まず書き言葉のみで書かれた文章は正確ですが、読みづらい印象を読者に与えがちです。
書き言葉を読むには規則と単語を理解する必要があるため、読む側にも一定の水準を要求します。
また書く人によって表現が変わることもなく、キャラクターが前面に出ることもないので、誰が書いても同じ文章にしかならず面白みに欠けます。
迷ったら柔らかい書き言葉で
迷ったら柔らかい書き言葉で執筆しましょう。
話し言葉と書き言葉を書き分ける理由は、メディアの目的にあった表現をするためだからです。
ビジネスマンが対象読者なのであれば多少かたい表現であるべきだし、裾の尾が広い媒体であれば多少話し言葉が混ざるのもOKです。
また自身のブログやnoteなどの媒体であれば、キャラクターが出ない「書き言葉のみ」の記事は不向きであったりもします。
とはいえすべて話し言葉で、というのもNG。
話し言葉は情報を正確に伝える性質は書き言葉と比べて弱いからです。
基本は書き言葉で規則に従って情報をわかりやすく伝えつつ、要所々々で書き言葉を柔らかく崩して読みやすさを出していきましょう。